女神魔道杯の時速推移からランカー勢の能力値を考察する

abstract

著者は最近すっかり総合報酬だけ貰って終わりになってしまった魔道杯老害である。
最近魔道杯に知らない人が増えてきて1人悲しくなっている。
一方で上位陣には知っている人の方が多い。
そこで、知らない人について能力の傾向を統計から予測し比較してみることにする。

introduction and method

ポイントを積むために必要な要因は
・時速維持
・早いデッキ/環境

の2つ、このうち時速維持についてはさらに2つに分解できる

1 時速の安定感(時速変動)

不調な時に目に見えて時速が落ちないかどうか

算出: 上5%と下25%の差
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上5%はpt砲を除いた最速 下25%は休憩等を除いた低時速(一部除く)
以下、最速時速と書いた時は上5%の値と読み替えてもらいたい

改善: 問題回収 体力温存 集中力 睡眠耐性 etc

2 休憩の多さ(休止度)

≒体力の少なさ、不眠不休で動けるかどうか

算出: 標準偏差+(med-avg)

標準偏差はptのまとまり具合 極端な動き方をすると値が跳ね上がる(→睡眠が多いと値が増える)
中央値と平均の差も似たような感じ あまり寝ない人は平均と中央値の差は少なく、良く寝る人は平均と中央値の差が大きくなる(睡眠の分平均のみが減るため)

改善: 体力をつける 睡眠調整 意思 etc


1と2は似てるが若干違う
疲れた時ササッと寝るひとは2が高い(2型)
パフォーマンスが悪くても続行する人は1が高い(1型)
パフォが悪化して悪あがきした挙句に長時間寝ると1も2も高くなる(3型)
優勝する人とかは1も2も低い(0型)
ある意味では優勝には0型が求められるとも言える

1+2 時速維持比率

自己べ時速をキープできるかの比率 途中でデッキ変更した場合は低くなる

算出: 自身の平均時速/自身の最速時速
あくまでも平均であることに注意 前述の2型の人は実情より値が低くでる
中央値と平均の中間を使うといいかもしれない?
人間スペックが強く出る項目(と思ってる)

3 最速比率

その杯での最速ラップを出せるかどうかの比率
いわゆる手持ち項目、運と手持ちが肝要(デッキに関しては人脈でなんとかなる時代なので省略)

算出: 自身の最速時速/最速時速
改善: 手持ちを揃える 端末を最新ipadにする デッキ構築力を上げる etc

(1+2)×3 戦闘力

上二つの比率を掛け合わせて算出した値
おおよそ実際の魔道杯順位と一致する傾向がある

この戦闘力の値について、正規分布を仮定すると偏差値が算出できる
母集団が「総合ボードに3時間以上連続して載っていた人(=時速が2箇所以上で算出できる人)」
なので、値が低くても気に病むことはない
(東大生の中で成績が低くてもバカでは無いのと同じ理屈)

result and discussion

以上を踏まえて算出を行ったこの表を見ていく
docs.google.com


まず偏差値を見ると、1位から順に値が減っていく
偏差値の順位≒実際の順位
集団としては1位 2-5位 6-9位 10-16位 17-19位 20位-と分布している
1-20位の間には壁が5つ存在することが分かる
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次に、前述の0-2型分類+最速時速比率に則りユーザーの分類を行う
具体的に以下の5通りを定義する

A 0型+最高時速100%付近
オールマイティ型 これが出来たら苦労しないやつ
・時速変動/休止度が低く最高時速比率が高い

B 0型+最高時速やや低
人間スペックが高い一方で手持ちや環境がいまいちだった人
・時速変動/休止度共に低いが、最高時速比率が低い

C 1型
持久力がウリだがパフォーマンスの維持に難がある人
・時速変動が高く、休止度が低い

D 2型
安定して速度は出せるが睡眠等で停止期間が長かった人
・時速変動が低く、休止度が高い

E 3型
デッキや環境は良好だが時速の安定感がない人
・時速変動、休止度共に高い一方で、最速時速比率は高い
 (最速時速比率が低い場合ボードに残れないため)


上位20人を上記分類で分けると以下のようになる
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以下具体的にユーザー名を出して分類していく(敬称略)
A ちょん*、しな etc

B jasmine™️、小日向るっきー etc

C カルマン・ジルベスト etc

D ハルQ、せつな etc

E べいぽん etc

A

例として提示した2人は1位と2位である。まあつまりそういうことになる
時速グラフを見ていこう

・ちょん*(1位)
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3日目終盤まで高い水準を維持し、その後は若干ローペースになるものの
最後まで大きな谷を作らず走りきっている。
1型に近い0型と言えるだろう


・しな(2位)
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3日目昼以降から細かい休憩を挟みつつ、安定した時速を維持している。
こちらは2型に近い。1位との差は最速時速が1周分少ないぐらい

B

・jasmine™️(6位)
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グラフ全体の安定感が高い。4日目に2つ小さな谷があるのみである
傾向としては1型に近い。
しかし最大の欠点として時速があまり出ていない
中央値が19万。1位の中央値は20万なのでそこが大きな差となっている


・小日向るっきー(11位)
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2回短い休憩を取っている以外は圧倒的な安定感。
傾向としては2型に近い。
こちらは最高時速が19万。その代わり中央値も19万。
これはデッキに大きなハンディを背負っているといえそうである


C

・カルマン・ジルベスト(13位)
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今までのグラフと見比べると乱高下しているのがわかるだろう。
2日目の15時付近でデッキを切り替えラップが上昇。その後軽い休憩を2回挟み積んでいくものの、体力の低下によりラップが徐々に落ちていっている様子が伺える。
注目すべきは4日目で、ラップが落ちていっても僅かな谷(20分程度の休憩)で回復している。復活の早さが強みだろう。
このように、「デッキを途中で切り替える」「体力不足の際長く寝ずに頑張る」とこんな感じのグラフになる。
典型的な1型と言えそうである

D

・ハルQ(9位)
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最初から三日目まではフルスピード、最終日前に少し長めの(といっても凡人からしたら短い)休憩をとり、最終日途中で積むのをやめたグラフである。
積む時はとても高く、積まない時は0という極端なグラフになるのがD(2型)の特徴。


・せつな(16位)
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こちらも極端なグラフである。休止度は9万超えで、上位陣の中ではダントツに高い。

E

・べいぽん(10位)
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上位陣にしては長めの休憩(この場合2日目夜、4日目昼以降)と
若干の時速不安定(3日目と4日目の深夜)が合わさるとE(3型)に分類される。
いい事がなさそうにも思われるが、裏を返せばこの状況で総合上位に入り込めるのだから
これらが改善された場合にはかなり高いポテンシャルを持つといえよう。
現にべいぽん氏は総合2位の経験者でもある。
体力の不安定さ故偏差が激しいというのが実状として言えそうである

summary

単純かつ数学的根拠が乏しいながらも、数値からグラフの傾向を予想することに成功した。
一方で、1回の魔道杯結果からしか算出できないため「たられば」には弱いとも言える。
今後の課題として、複数魔道杯のデータをまとめて取り扱うことでその人の「つよさ」を正確に把握できるようにすることが挙げられる。

番外編

・紺碧の極北
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休止度が高いのはもう自明なのだが、休みすぎで下25%まで0になってしまった関係で時速維持の値も極低になってしまっている
簡単に言うと、グラフが極端すぎて算出がバグった。
こういう積み方には対応できません。あしからず。