「おっぱい」の意味について考察してみる
Twitterでよくおっぱいおっぱいと唱えている謎の存在がいます。
詠唱者が大体どこか危なげな人なので、闇の呪文であることは間違いないと思うのですが、
おっぱい ってなんでしょう?
どんな詠唱呪文にもなんらかの語源があったりします。
かの呪文「ひらけゴマ」にも女性器のクパァを隠喩した表現だとかいう説があるぐらいなので、
きっとおっぱいにも何か意味があるのだと思います。
類音語から検証
類音語とは「発音のしかた、または聞こえが似ている二つ以上の語」です。
似たような発音の言葉は得てして意味が似ていることが多いと考えられます。
まず注目したのが「しょっぱい」「すっぱい」です。
両者ともに味の形容詞であり、「~っぱい」という共通の表現が語末につきます。
なぜ、しょっぱい/すっぱいを取り上げたか。
発音してみるとわかります。
Repeat after me.
しょっぱい、すっぱい、おっぱい。
しょっぱい、すっぱい、おっぱい。
声に出すと分かる圧倒的な親和感。
これは声に出して読みたい日本語大賞を受賞できるレベルの親和性です。
ということは、意味的にも似通っているのは当然ともいえます。
まず、すっぱいの語源についてぐぐってみました。
すると
名詞「酢(す)」の形容詞化。
塩味を「しょっぱい」と言うのと同じで、酢のような味であることを表す。
同じ意味の「酸い(すい)」という形容詞もあるが、「すっぱい」は「酸い」よりも含みを持たせた表現で、形容詞の語尾「い」を「っぱい」とすることで、そのような状態を帯びている意味を表し、酸い状態であることと、酸いに近い状態であることを表す。
「酸い」と「すっぱい」を比較して表現するとすれば、「酸い」が「酢のような味」を表し、「すっぱい」は「酢のような味っぽい味(「酢のような味」も含む)」ということになる。
このように含みを持たせた表現になっているため、梅干やレモンなど、「酢のような味」とは言い難いものに対しても形容できるのである。
とのこと。
言葉の変遷としては、「酸い」の末尾を~っぱいと変化させ、状態を示す言葉に変化させています。
賢い読者諸君はもうお気づきでしょう。
おっぱいは「状態を表す言葉」であるという類推をたてることができます。
どんな「状態」を表すのか?
おっぱいのうち、「~っぱい」の方は解明が完了しました。
残りは「お」の方です。
といっても、日本語一文字の「お」から類推できる意味というのはあまり多くありません。
ここは、「おっ」の2文字をまとめて捉え、「おっ」「~っぱい」の組み合わせであると考えるほうが自然です。
おっ、というのは「乙」の変化形であるという推測をしてみます。
乙というのは、十干の2番目です。最初が甲であるため、よく「2番め」とか「(甲よりも)劣っている」という意味で使われます。
それではつまり、「おっぱい」というのは劣化している状態を示す言葉なのでは?
いいえ、そのようなはずがありません。
魔法おっぱいを詠唱している人はなぜか皆笑顔です。きっと明るい意味があるに相違ありません。
もう一度「乙」の意味を確認する
乙の字は、ジグザグな形を形取ったもので、そこから、種から出た芽が地上に出ようとして曲がりくねった状態の意味として、十干の2番目に宛てられた。
「種から出た芽」が「地上に出ようとしている」。これは、成長を意味する言葉として明るい意味を持っています。
さらに、「乙」というキーワードが近年では「お疲れ様」という意味で使われていることも特定できました。
お疲れ様とは、労苦をねぎらう言葉で、話しかけた人物への思いやりという意味も持っています。
つまり
まとめ
今までの情報を統括すると
「おっぱい」は
「乙」「~っぱい」の合成語であり
「成長、そこから転じて労苦をねぎらう」「状態を表す」
といえそうでしょう。
これは驚きでした。詠唱者がキモオタクばかりなので、てっきり性的な欲望を発散させる負のワードだと最初は考えていましたが、きっちり考察するととても明るい意味を持っています。
これは僕も早速使っていかなければ。
「お~い、そこのお姉さん!」
「……なんですか?」
「おっぱい!!!!!!」
その後、彼の姿を見たものは誰一人いない。